夢のゴンドラ

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 ふーん、と彼女は不思議そうに僕の目を覗き込んだ。 「じゃあ今私としゃべってるのも疲れる?」  僕は慌てて首を振った。 「そんなことない、普通だよ。むしろ君と話すのは楽しい」 「どれくらい楽しい?」 「海が干上がって全部雲になっちゃうくらい楽しい」  ふぅむ、と彼女は頷くと、にっこり笑った。 「私もよ」 「それはよかった」  僕もにっこりと笑った。 彼女は僕に失った時を求めての話を聞かせて、と言った。 聞かせても何も、さっきも言ったけれど僕はそれを読んだことがないんだよ、と僕は言った。
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