堕ちた詐欺師の狂詩曲

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三人は村のはずれにある、小高い丘でよく遊んだ。 先程シュウが言っていたようなバトルごっこ……所謂チャンバラや、鬼ごっこ、時にはままごとなんかもしながら遊び、大層仲の良い関係だった。 「うりゃああっ!」 「きゃあっ!……いたた、シュウ、つよーい!」 「おにいたんつおーい!」 チャンバラでは毎回毎回シュウの独壇場だった。 シュウは後に勇者となり活躍することもあり、元の運動神経も高め。 ルミはあまり運動が得意でなかったし、年下のユナはシュウに憧れて挑んでいくも、その度泣かされていたからだ。 と言っても、ルミはもうこの頃から初級中の初級とはいえ魔法を扱えたし、ユナも成長と努力で才能を開花させていくことになるのだが。 「ねぇねぇシュウ、ルミおままごとやりたいな」 「うん、いいよ」 「ユナもやるー!」 ……そう、とにかく仲がよかったのだ。
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