青は円

あおはまどか

歩調を早める俺は鞄の大きさを若干後悔する。
しかし傘を入れるにはこのサイズのものにするしかなかったし、長い傘を手に持って行動することを考えればそれよりましだ。
もうすぐ、目当ての建物に到着する。
それまでの辛抱だからと自分に言い聞かせ、歩きながら上着のポケットに手を入れた。
携帯を取り出し、上総の番号を呼び出す。

耳に当てながら、俺は昨夜の会話を思い出した。