祭りの夜

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「変なとこ見せちまったな。」 「いえ、チョット驚いたけど。」 「ねぇ、今のなんだったの?」 陽菜ちゃんは状況が判ってなかった。 あ、本当は僕もよく判ってないんだけど。 「あいつらは、お前らのいう“鬼”だよ。 ただのイタズラ好きな奴らさ。 でも驚かせちまったみたいだな、 お詫びといっちゃなんだが、これやるよ。」 えびっちゃんさんは僕に釣竿をくれた。 「え、これ?いいんですか?」 最新式のカーボンとかリール付とかじゃないけど 軽くてしなやかな竿だ。 「あぁ、いっぱい持ってるから気にすんな。」 「陽菜ちゃーん。 陽菜ちゃんにもこれあげる。」 きっこさんが、さっき返したバチを陽菜ちゃんに渡した。 「ありがとうございます、でも。」 「いいのいいの。失くしちゃうのはマズイけど、あげるなら問題ないから。 いい、これ使って弾かなくてもいいの。お守りみたいなものね。」 「ねぇ、お姉さん。 お姉さんも神様なの?」 「一応ね。 あたしは吉祥天って呼ばれてるみたいよ。」 陽菜ちゃんはまだ信じられないって顏でお姉さんの顏を見ていた。
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