祭りの夜

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「あ、でも神様なんて言ってもたいしたことできないし、それに別に珍しくもなんともないの。この国にも80万神くらいいるんだよ。吉祥天だけでも420神くらいいるし。」 陽菜ちゃんはさすがに言葉が出ないようだ。 「おーい、みんなそろそろ時間だぞ。」 テイさんが言うと風が吹き雷の音がしてきた。 今度は雨は降らなかったが雷がだんだん近づいてきた。 ピカッ ダン、バリバリ また近くに落ちたのかと思った時、僕は目を疑った。 「UFO?」 いや、ちょっと和風な装飾と電飾が施された飛行船みたいなものが浮いていた。 「なにあれ?」 「陽菜ちゃん、あれがあたし達の船だよ。」 きっこさんがそういうと、側面のハッチが開いて髭を蓄えた船長さんが顔を出した。 「おーい、時間じゃ、引き上げるぞ。」 「寿船長、お願いします。」 スキー場のゴンドラみたいのが降りてきて、お兄さん達が乗り込んでいく。 「おう、お前ら、元気でな。」 「はい、ありがとうございました。 ほら、孝ちゃん、行っちゃうよ。」 僕はずっと考えていた。 (やっぱそうだ、間違いない。)
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