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「神様?
またそんなこと言って
みんなに嘘つきって言われるのは孝ちゃんなんだよ。」
「でもさ、先生が
『秋のお祭りは作物の収穫を感謝して神社に納める』
って言ってたでしょ。
やっぱりさ、神様だって美味しいもの食べたいんだよ。」
僕らの通う小学校からの帰り道。
川を渡りあぜ道を抜け農道を通り雑貨屋の角を曲がりしばらく行くと神社がある。
「明日からお祭りだね。
陽菜ちゃん、一緒に行こうか。」
お祭りは金曜の夜から屋台が出て、土日は境内にステージを組んで様々な出し物をやる。
「べ、別にいいけど。
明日は遅くなっちゃうから、土曜日ならいいわよ。」
神社の参道を途中で抜け、大銀杏のところで陽菜ちゃんとは別々の家路となる。
「うん、じゃあ陽菜ちゃん。
また明日ね。」
「じゃぁね、
宿題ちゃんとやんなさいよ。」
どうも僕の事が頼りないと思っているのか
いつもこんな調子である。
土曜日の夕方、大銀杏のところで陽菜ちゃんが待っていた。
「陽菜ちゃん、お待たせ。」
「孝ちゃんもっと早く来なさいよ。」
まだ時間前なのにと思いつつ
『ごめんごめん』と言って2人で神社へ向かった。
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