5人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「あれ?雨だ。」
その時急に雨が降り出した。
僕らは神社の裏手の軒下で雨宿りをした。
雨はだんだん強くなって雷も鳴ってきた。
ピカッ ゴロゴロ
「近くなってきたね。」
「な、なによ。雷が怖いの?」
雨もバタバタと音を立てさっきまで聞こえていたお囃子も聞こえてこない。
ピカッ ダン、バリバリ
「キャァッ」
かなり近くで落ちたみたいでまわりが暗くなった。
陽菜ちゃんは僕のシャツの裾を握りしめている。
「停電?」
「うん、近かったみたいだからね。」
そのあとは雷も落ちず雨もすぐ降り止んだので、僕らは神社の境内の方に出た。
するとさっきまで流れていたお囃子も聞こえず、停電で暗くなり、雨を避けたのか誰一人いなくなっていた。
「陽菜ちゃん帰ろうか。」
と言ったとき。
「おい、お前ら。
何してるんだ。」
と強そうなお兄さんに声をかけられた。
「夕立で雨宿りをしてたら
雷で停電したみたいで今から帰ろ・・・」
「あ、お前どうしてそれを持ってるんだ?」
「え?」
「境内に落ちてました。」
陽菜ちゃんが持っているバチのことらしい。
最初のコメントを投稿しよう!