祭りの夜

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「すごい。」 「すてき。」 陽菜ちゃんも感じるものがあったみたいだ。 そんな余韻に浸っていたら 「おい前ら、こっちゃ来い。」 別の方から呼ばれ、近くにいくと、小槌を持ったお兄さんが言った。 「名前は?」 「陽菜。」 「孝太です。」 「陽菜ちゃんと孝太か。 オレはダイ。 そこの暑がりがテイさん。 その隣でニコニコしてるのがえびっちゃん。 石段で琵琶弾いてるお姉さんがキッコ。 踊っていたお姉さんがベンちゃん。 で、お前らをつれてきたのがびっちゃん。」 なんとなくホッとしたところでふと、疑問に思ったので思い切って聞いてみた。 「あの、お祭りは中断したみたいですけど。 これ、何してるんですか。」 「ん、これか?これはね、奉納されたものを数えているんだ。」 「神主さんに頼まれたんですか?」 「神主さん? いやいや、違う違う。 実はな、孝太。 おれらはな、こう見えても神様なんだよ。」 「へえ、 え?かみさま? かみさまって神様のこと?」 「チョット、孝ちゃん。」 「おい、ダイちゃん。 そんなこと言っても。」 「まぁまぁ、テイさん。この子らは大丈夫だって。」
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