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「おれらはな、このあたりの村を見ている土地神様なのさ。
こうして奉納されたものの善し悪しや数を調べると、
おれらがこの1年にやってきた事の成果が判るって訳だ。
わかるか?」
正直ピンとこなかったが、めずらしく陽菜ちゃんが尋ねた。
「ねぇ、それじゃ雨降らせたり雪降らせたりできるっていうの?」
「陽菜ちゃん。」
「ははは、陽菜ちゃん元気いいなぁ。
そうさな、そういうことはめったにしないな。
おれらはちょっと促すだけだ。
例えて言うと、木や草や虫や動物とかの背中をちょっと押すみたいな感じだな。」
「おーい、ダイちゃん。
もう少しだから片づけちゃおうよ。」
「おう、すまん、今行く。
それじゃまた後でな。」
ダイさんが声の方に歩いて向かい始め、僕はちょっとあとを着いて行った。
「ダイさん。
それ、手伝ってもいいですか?」
「孝ちゃん、邪魔しちゃわるいわよ。」
「そうさな、
じゃ、陽菜ちゃん、孝太、こっちだ。」
僕らはお米の袋に書かれてるのを読み上げたり数えたりするのを手伝っていた。
「よし、それで最後だな。
あと片づけするか。」
その時だった。
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