祭りの夜

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「なんだ、もう終わっちまうところかよ。」 3人の不良みたいな人が現れた。 「んなことやったってしょうがねぇだろ。 おい、やれ。」 真ん中の人が言うと脇の2人が大きめなネズミとカラスを放った。 奉納された俵やお供えの餅が荒らされる。 「何するんだ、やめろ。」 「あん、布袋、やる気か?」 テイさんは少したじろいで後ずさりした。 金属バットのような物を持った人が近づいてくる。 「陽菜ちゃん、危ないからコッチきな。 孝太、お前、北のお稲荷さん分かるか?」 えびっちゃんさんが尋ねてきた。 「うん判るよ、小さな祠だよね。」 「ああ、たぶんそこにびっちゃんが寝てるから 呼んできてくれ。」 「僕が?」 「そうだ、俺たちが動くと邪魔をされるが、 あいつらはお前たちが目的じゃない。 行けるか。」 「うん、やってみる。」 「よし、頼んだぞ、孝太。」 「孝ちゃん気を付けて。」 僕は、屈んでそっと抜け出し、視界から隠れると駆け出した。 北の祠までは大した距離じゃない。 神社から少しだけ山道を登って左に曲がったところだ。 はぁ、はぁ すぐそこだ 小さな赤い屋根が見えた。 いた
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