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朝食を食べ終えたら、料理長に今日の朝食の感想を伝え、昼食は向こうで摂ると言った。
「よし、それじゃあ行きましょうか」
「「はーい!」」
右にスズネ、左手にシャルロットの手を握って、私は転移を発動させた。
「あれ?ねぇ、ママ……」
「……ここ…街の外」
そう、私が転移したのは屋敷街の外壁の外。屋敷の中ではない。
「別に間違えてないよ。街を見て回りながら屋敷に向かおうと思ってね。屋台とか見ながら行かない?」
「行くー!」
「……見たい」
二人共、目を爛々と輝かせていた。いつもお城から出られないからね。こういう機会には街を見せてあげたいのだ。
それから、私達は門を抜けて街の中へと入る。
その際、門番が私達の身分を知って腰を抜かしたのには、流石に苦笑いしか出なかったけど。
街に入ると、外壁の外とは大違いの活気が溢れていた。
大通りに沿って並ぶ屋台からは威勢のいい客引きの声が飛び、地方からの商人達が取り引きをしきりに行っている。
「うわぁー!ママ!あれ何!?」
「凄い人……今日…お祭り?」
目を見張る二人にあれこれ説明しながら、ゆっくりと大通りを歩いて行く。
二人が楽しそうにしているのを見るだけで、来た甲斐があるというものだね。
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