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「アス兄、久しぶり!」
「…アスラン…元気そう…」
涼音とシャルロットはとてとてと駆けてアスランの両側に飛び付いた。
「あらあら、アスランモテモテねぇ~」
「モテモテ~」
「……モテモテ~」
「ちょっ、からかわないでください!」
両手に花の状態で凄まれても、説得力に欠けているのは言うまでもない。
「照れなくていいのに。ねぇー?」
「ねー」
「……ねー」
二人と顔を見合せてニコニコしていると、アスランは顔を真っ赤にしていた。
「アス兄、私と遊ぼう!」
「……ダメ…アスラン……私と…遊ぶの……」
あらあら、まぁまぁ、もう男の子の取り合いしてる。一夫多妻制に法律改正するべきかしら?
「離してよ、シャル姉!」
「……スズこそ…離して…!」
「えっと、あの……」
アスランは困ったようにオロオロしていた。そろそろ止めた方がいいかしらね。
「もう、シャル姉なんか大っ嫌い!」
涼音が絶叫すると、屋敷の中なのに突風が吹き荒れた。壁が軋み、絨毯が波打っている。
これは……魔力の放出!?
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