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「あの、いいですか?」
「ん?どうしたの、レイン」
それまで黙っていたレインが、手を挙げて前に出た。
「ママ……リョウさんにお願いがあります。私を……使い魔にしてください」
「レイン?いきなり何を……」
「ずっと考えていました。もし、お二人に子供ができたら私はどうすればいいのだろう、と」
レインの青い目が一段と深い色をしている。既に、自らの中で結論を出した者の目だ。
「ギルバートさんとリョウさんは、その子達のパパとママです。その間に私が割り込んではいけないと思います」
「でも、だからって何でいきなり使い魔に?契約をすれば、貴女は私の命令には逆らえない。契約解除しない限り、行動に大幅な制限がつくのよ?」
「構いません。私は、守護者として妹達を見守りたいんです」
確かに、子供が双子なので私とギルが不在の時、スノウだけでは対応しきれない事態が発生する可能性がある。
多分レインも、その考えに至ったのだろう。だからこそ、私が直接召喚や通信が出来る使い魔になることを選んだのだ。
「気持ちは分かったわ。でも、今はダメ」
「な、何故ですか!?」
「私が……
スタミナ切れだからよ」
そう言った直後、私は意識を手放した。ギルへの回復魔法が止めになったらしい。
なんとか、涼音を抱いたまま倒れる事に成功した、と翌日ギルに教えられたのだった。
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