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「ほら、今日は大事な視察で直ぐに出るんでしょ?」
「おっと、そうだった。行ってくるよ」
「うん、気をつけて。あなた」
そう言って、ギルは軽く触れるキスをしてガウンを纏い、寝室を後にした。
さて、私も寝坊助達を起こすとしますか。
「ほら、起きなさい!」
私はガバッとシーツを剥ぎ取る。すると、そこから赤と藍の髪の小さな女の子が出てきた。
「おはよう、シャルロット、スズネ!」
「……あと……五分……」
「にゃ~、眠い~」
全く起きる様子のない赤い髪とアメジストの瞳を持つ姉のシャルロット。
そして、目を擦りながら体を起こした藍色の髪にアイスブルーの瞳の妹スズネ(涼音)。
私とギルで一人ずつ名前を付けた私達の宝物だ。
「全く、シャルはいつも寝起き悪いんだから」
まぁ、この子はいつも眠そうな半眼だけど。
「早くしないと、お祖父様が待ってるわよ」
「「はーい」」
ようやく起きた二人に顔を洗わせて歯も磨かせ、服を着せてから私も白を基調にしたワンピースに着替えた。
まだ眠そうな二人の手を引き、中庭まで出るとそこには一人の男性が待っていた。
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