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「ねぇ、なんでお前が私の前に座ってんの?」
ここは学校。
そして今は学校の放課後。
今は教室でなぜか例のアイツと二人きりである。
「なぁ、本当に俺の事覚えてない訳?昔よく遊んだじゃん、美紀の家で。」
確かに。
夢で私が四歳くらいの姿をしている時、こいつも四歳の姿をしてて家で遊んでた。毎日のように。
でも、それは夢の話であって現実ではない。
「ほら、話またスルーした。聞いてた?私の話」
「美紀だって俺の話スルーしたじゃん。座りたいから座ってる、それだけ」
「てか、お前いつも私の後ろついて来るよね、ストーカーごっこでもしてる訳?」
「違う、小さい頃はいつも一緒だったからそれで… 心配で…」
「お前は私の親か兄かwww」
「お前って言うな、木の幹。」
「なっ!? だ、だって、お前の名前知らないもん。しょうがないじゃんか。」
「…」
私が名前を知らないと言う度にこいつは寂しそうな顔をする。
そしていつも黙り込む。
俯いて下唇を噛んで…
悔しがっているようにも見えた。
でも…
「颯太…俺の…名前は相口颯太。」
今日はちゃんと名前を教えてくれた。
声が震えてるけども。
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