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机を挟んで先生と向かい合わせで座ると、先生は真剣な表情で話し出した
シルバーフレームの眼鏡の奥にはちょっとたれ目な優しそうな瞳
形の良い鼻と薄い唇
そこから奏でられるのは、テノールの柔らかな声
机に置かれた手は、爪が短く綺麗に切りそろえられた長くしなやかな指
大きく、綺麗なあの手に触れてみたい
触れられたい
それは、何度となく思った願望
きっかけはあの手だった
プリントに添えられたあの手を見て
綺麗、だと
触れてみたい、と
思った瞬間
私の恋は始まった
今では、先生の全てに恋している
何気ない表情に
真剣な表情に
優しく微笑む姿に
英語という名の子守歌を奏でる声に
いつもピンと伸びたその後ろ姿に
黒板を埋める、少し癖のある字に
先生の全てに
私は、恋してる
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