思い出

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「宿題、やってきた?」 テーブルを挟んで神谷が座っている。 「…はい」 手放したくないもの。 あまり沢山は選べない。 ガソリンスタンドで働いた時の事を話す。 そこで沢山の人を見た。 殆どは優しく、にこやかで陽気。おおらか。 だからこそ 些細な事を大袈裟に、執拗に捏ねくりますクレーマーや、感じの悪い人間を見た時は心底 嫌な気持ちになった。 ―…何故 それがそんなにも許せないの? そんな事で、あなたがそんなにも醜い人間にならなければいけない理由が分からない… そう思う出来事が度々あった。 それから私は決めたのだ。 捻くれた偏屈な人間にはならないと。
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