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家…どこだ…。
…
放心してる場合じゃない。あの人のことだ。行かなければ終わってしまう。
とにかく今から3年2組に行って先輩がいないか確認して、いなければ教室に残っている人たちに家を知らないか聞いて回らなければ。
と、パニックになっているとき、先輩からショートメールが届いた。
内容はこうだ。
コンビニ近く、マンション。今から一時間以内に来れなければ終了。
「一時間…」
携帯を握りしめ走って階段を下り、校舎を出た。
そのまま走ってコンビニまで行くと、店員に近くにマンションがないか聞いた。
「一番近いとこだったらあそこですかねぇ…ほらあれ、見えるでしょ?」
店員の指差す方向を見ると、背の高い大きな建物があった。念のため、他の所も教えてもらいメモを取った。
あそこだという確証はない。
もし違っていたら?他を当たるにも時間がない。一時間なんてあっという間だ。
「…落ち着け」
ちょっと冷静になろう。
白光先輩はどんな人だ?
まず底意地が悪く、性格もすこぶる悪い。そういう人ってたぶん…プライドも高そう。
そんな人が家に来いと言う。
絶対に小さかったりくたびれたとこではないだろう。
そこだという望みを掛けて俺は走った。
先輩に会える。早くあの人の人を見下したような目に自分も映りたい。
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