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次の日の昼休み、とりあえず2年生の教室を見に行った。
一クラスずつ先輩たちに声をかけ、白光という先輩がいないか探した。
…
でも、もし本当にいたらどうするんだ。どうしたいんだ?
…
そんな疑問は浮かんだが、答えは単純だ。
ただ、会いたくて。会いたかったことをまず伝えたい。
2年生の教室を調べたけれど、白光という人はいなかった。
だけど3年にいることだけは分かった。
2年の先輩に聞いて回っていたときに、3年にいるという情報を手に入れた。クラスまでは分からなかったけど、もうすぐ会えるかもしれない。
そう思ったら気分が高揚した。
3年の教室を一クラスずつ回ろうと思い、1組の先輩に声をかけたところ、白光先輩は2組だと言われた。
2組…。
会えるかもしれない。会いたい。
逸る気持ちを抑え2組へと足を運ぶ。
ちょうど教室を出てきた先輩に白光先輩がいないか聞いてみた。
「今日いない」
いない…
「風邪…ですか」
「元からあんまガッコ来ない」
肩を落としてクラスに戻った。席に着いて会えなかったことを残念に思っていると、明るいハキハキした声が話しかける。
「結人(ユイト)!会えた?大好きな白光先輩」
「…いなかった」
「可哀想にねぇ…」
そう言いながら頭を撫でるこいつは塚本あつし。
入学式で席が隣だったこともあってすぐに打ち解けた。
「気ぃ落とすなよ!俺も結人のために先輩のこと鼻が曲がるぐらい嗅ぎ回ってきた!聞きたい!?」
「聞きたい!」
「すっげぇ!もうすっっげぇ男癖が悪いってよ!」
男癖?
「よかったね」
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