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あれから一週間が経とうとしていたが、条件が提示されることはなかった。
もしかすると無視されてるのかという焦りだけが募る。
「無視されてるのかな…」
「そうじゃん?それかからかわれたか」
塚本の容赦ない言葉。
だけど冷静に考えてそうだ。
いきなり知らないやつにあなたを追ってここまで来ましたと言われ…しかも告白までされたら、
普通気持ち悪い。
「塚本…俺って気持ち悪い?率直に言ってみて」
「うん、ドン引き」
満面の笑みで言わなくても…。
塚本と話していると、すぐ側に人が近づいて来た。
顔を見ると見たことがあるようなないような…ある。
白光先輩に会いに3年2組に行ったときに話しかけた先輩だ。
「ストーカー辻、白光から手紙」
二つ折りにされたルーズリーフを机に置くと先輩は行ってしまう。
「あ、ありがとうございます!」
先輩は振り向くと塚本を見ながらこう言った。
「そっちのこ、名前は?」
塚本は自分を指差しながら俺?と焦っている。
「塚本あつし…ですけど」
「俺君のストーカーやるんで、よろしく」
「はい!?」
じゃあ、と手を振り教室を出ていく先輩を見ながら塚本は唖然としていた。
「塚本?大丈夫…?」
「大丈夫…手紙は?なんて?」
そうだ、手紙。
先輩からの手紙。すぐに開いて内容を確認した。
…
「性格わりぃー…絶対やめといたほうがいい、バカにされてるだけ」
塚本はそう言い残し、自分の席に戻ってしまう。
俺は手紙を読み返した。
条件1、言うことは何でも聞くこと(ご褒美あり)。
条件2、連絡はこちらからのみ。
条件3、このつき合いにおいて下半身系は一切なし。
※今後条件が追加される可能性あり。
※上記守れなければ即終了。
これでいいなら080XXXXXXXXに今日の6時ぴったりにワン切れ。
…
先輩、これ付き合うって言わないです。
でも…先輩の字、番号、嬉しい。
めちゃくちゃな条件ではあったけれど、俺の答えは決まっていた。
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