第四章:エンディコットの鐘

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話を聞いていたトックンが、カゲトミを見上げて言った。 「トックンは、この件に関してはサキ憲兵長の部下の憲兵だ。 早く解決させたい。 カゲトミも、カイくんと共に手伝ってはくれないか?」 「はぁ…。 やぶさかではありませんが…。 公爵魔族でいらっしゃるカイさまならともかく、ボクなんかでお役に立てるか…」 「ハッキリ言って、今の状況で本当に自由に動けるのは、ガンとカゲトミだけだ」 「──と、仰有いますと…?」 「ここに居る七人の中で、五人は子爵夫妻と面識が有る。 旅芸人に扮していても、顔を見られたら一発でバレる。 ガンは記憶喪失が逆に功を成して、子爵城使用人にまでビックリするほどよく潜入できた。 あと、唯一子爵夫妻と面識の無いカゲトミは、とても存在価値が有る」 「まぁ…。 ボクに出来ることはいたしますが…。 ただ、今ごろヘルブリュン宮城は…きっとエライ騒ぎになっているのではないかと…」 「なら、洒落斎なら半刻とかからずにヘルブリュン宮城まで飛んでいける。 洒落斎。 カゲトミとカイくんをヘルブリュン宮城まで送ってやれ」 「御意」 「あと、これは憲兵というよりは、トックンからのお願いだ。 カイくんは至急、外務卿でもあるアヤ王妃さまに内密にお知らせするのだ。 大きな国際問題にも発展しかねない重大事になった。 それが済んだら、蛾の姿にでもなって、また密かに戻ってきて欲しい。 あと、カゲトミには…──」
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