第四章:エンディコットの鐘

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今日も“そこ”に麻薬・金平透を密かに持ってきた“わたし”が、人の気配に驚いた。 「──あなたが…」 待ち伏せていた“その人”を、“わたし”は睨み付ける。 すると、“その人”が…。 「ここより…良い場所に…。 手伝います」 「──え…?」 “わたし”は、驚いた。 すると、“その人”が笑って答える。 「当然の…報いです…」 その日は、生憎の雨。 天候が変わりやすい山間で、更に大河エンディケ川の近く。 元から降水量は多い。 ただし、それが恵みの雨になった面々も居た。 「サ…サキどのと…チュッチュシーンで…ござるかっ!?(滝汗) ∑∑ささ…三次元ででござるかっ!?(ガクブル)」 カイとカゲトミを深夜にヘルブリュン宮城に送り届けてきた洒落斎に、重要任務が与えられていた。 「おい。 このトッツァンの役は、もっと他に無いのか? ヘルブラールの出番も台詞も少ないぞ」 トッツァン(偽名)はご機嫌斜め。 即席旅芸人一座に扮した彼らは、取り敢えず何か芸を披露しなくてはならない。 そこで、ここで上演したら多少ヘタでも喜ばれる芝居を上演する事にした。 【青き魔女伝説・ハート劇団オリジナル版】 晴れていたら、ぶっつけ本番でやらなくてはならなかった。 □配役 ・宮廷楽士エンディケ役  ≫シャラ(洒落斎) ・青き魔女ヘルブリュン役  ≫サキッポ(サキ) ・二人の息子ヘルブラール役  ≫トッツァン(トックン) ・ナレーション及び歌  ≫ハート・ガ・ジンジン(ジン) いまジン以外の出演者たちは、ゴールデンボール・ベーカリーの軒先で、台本をかじりつく勢いで暗記していた。
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