第四章:エンディコットの鐘

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どんなに粘膜接合しようが、転生親は転生親であり、命名主は命名主。 そこは、動かせない。 また、転生魔族の場合は、純血魔族の養子と違って実子の血には生まれ変われない。 だから、転生親や命名主の血族とは血縁関係にはなれない。 大抵は転生親と命名主は同一だから、転生魔族は親と第一接合者と子たちしか縁者になり得ない。 と、言うのも。 転生魔族は人間族から魔族になる際に血のリセットがされるので、人間族だった頃の血縁は特例を除いて完全に無効になる。 つまり本来、転生魔族は最初、転生親・命名主・第一粘膜接合者の三名しか登録しようが無い。 よって、グランドスラムには成り得ない。 なのだが…。 非常に稀なケースだが、転生魔族でも人間族だった頃の血縁から、魔族になってからも二親等と認められる例外が有る。 それは、二種類。 一親等は、親子。 二親等は、祖父母と孫か、兄弟姉妹。 まず、人間族だった頃に二親等以内の近親者で、同じ転生親に魔族とされた者同士。 カゲトミの転生親はジンだが、トックンの命名主でもある転生親は既にお亡くなりになっているらしい。 なので、トックンとカゲトミはこのケースには当てはまらない。 ただ、もう一つの例外と言うのが…。 人間族だった頃に二親等以内の近親者で、転生後に粘膜接合しちゃって魔力の交流をしちゃった場合。 この二種類の例外の場合は、魔族としての血の魔力が非常に近しいものになる。 なので、第一接合者としてではなく、特例として特殊二親等の縁者として登録される。 そして…カゲトミは…現在…。 ●転生親 ジン大アルカナ ●命名主 純血貴族一等モスラ公 ●特殊二親等 トックン大アルカナ エレノア夫人が愕然としながら呟く。 「……………実の兄と…チョメチョ──」 「しておりません」 「なら…パックン──」 「それも、しておりません」 「で…でも…。(汗) つまりは…チュッチュは…なさったんですよね…?」 貴婦人の中の貴婦人である透の魔女の美しく整った口元から発せられるお言葉。 それに、偽ロイが優雅な微笑みで返した。 「まぁ…、キスぐらい…。(黒ニコッ) つまり、兄が見初めたその者は、第一接合者空白のまま、既に三人の最上級クラス者を縁者にしているんです」
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