第四章:エンディコットの鐘

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カイ・モスラ公からの、直筆の書状。 サインや筆跡など後で鑑定しても、間違いなく本物と鑑識される。 何故なら、今回の秘密ミッションの為に、カイがちゃんと自分で書いた書面だからだ。 要約すると…。 [ずっと領内から出たがらなかった弟なんで、この機会に社会勉強させたいんですよー? なんで、数日で良いんで、ちょっと領内経営について実地指導してくれませーん?] ………………………………………………………………………。 ハッキリ言って、迷惑だ。 差し迫ってきた第四王州のクリスマスに向けてのエンディコットの鐘の移設。 それだけでも大事業なのに、領内支配の為の公務も毎日ひっきりなしに飛び込んでくる。 その他にもいろいろやらなくてはならない事が有るのに…。 固まっていたエレノアに、偽ロイが柔和な微笑みで言う。 「エレノア夫人さまのお邪魔はしません。 要は、兄が言いたいことは、領内経営の勉強をして来い…と言うことです。(ニコッ) 決してお邪魔にはなりませんから、不都合が無い範囲でマーガレット執事さんのお手伝いをさせてもらえませんか?」
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