第2話

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肌寒い空気にふるりと身体が震える。 着物の裾をぎゅっと握り辺りを見回した。 あれから目が覚めた私は知らない神社の境内に居た。 いつの間にか制服だった服は着物に変わっていた。薄暗い中では分からなかったがよく見れば薄桃色の綺麗な着物。 肌触りで上等なものだと伺える。 そして傍らには布に包まれた長細い物とこれまた布に包まれた何か。 恐らく真剣と着物だろう。 「来たんだ…」 漠然とそう思った。 そう思うに充分な物は揃っている。 気をきかせてくれたのかこの時代にあった服装を用意してくれているし。 「とりあえずここどこ…」 時折吹く風が冷たい。 何の恨みがあってここなんだか…。 屋根があるだけまだマシだと思えた。 「はぁ…」 この先どうすればいいのか途方に暮れる。 沖田総司を探すためには新選組に行かなきゃならない。 それよりもちゃんと壬生浪士組の時代に落としてくれたんだろうか。 新選組の未来を変えるためにはまず壬生浪士組の時代から変えていかなきゃならないのだから。 「そこに居るのは誰ぞ」 ふと低い、男の声が聞こえた。 声の調子からいって40代くらいか…。
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