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やっぱり史実は当てにならないか…。
未だに私の頭を撫で回している芹沢さんを横目に見ながらふと思う。
(父親というのは…こういうもんなんだろうか…)
両親の温もりを知らない私には芹沢さんの行為は慣れない。
どうすることもできずされるがままにいる。
「父さん…」
すっ、と自然に漏れた言葉に自分でも驚く。
この言葉を口に出したのは何年ぶりだろう。
私の言葉が聞こえたのか芹沢さんは手を止めた。
「あ、えっと…これは…」
「ふむ、父さん…か。お前のような娘なら悪くないな。」
焦る私を横に芹沢さんは穏やかに笑った。
「………ぁ」
その言葉が何故だか胸に染みて、柄にもなく泣いた。
頬に伝う雫に私は驚く。
…こんなことで泣くなんて。
「…ごめんなさい」
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