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私がその泉を見つけたのは本当に偶然だった。
偶々暇だったから外に出て、偶々おもしろ半分にその森へ入って、偶々行く宛もなくふらふら歩いてたら、偶々その泉を見つけた。
薄暗く気味の悪い森の中でそこだけ切り取られたかのように空間が違うその場所。
綺麗な色で光る泉のそばには立て札も何も無いけどふとあの都市伝説が蘇ったのだ。
「願いを叶えてくれる泉、か」
しゃがんで泉の中に手をそっと入れる。
冷たさのある水が指を透き通るように流れていく。
綺麗な水だな、と泉を見つめ呟いた。
「なんでも、叶えてくれんの?」
答えが返ってくる筈もない。
そんなことは分かってた。
それでも、声に出さなければやっていけないような気がするのだ。
じゃあさ、と言葉を続ける。
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