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沖田総司は私の憧れでいて、憎い人だった。
史実では分かりはしないけど近藤勇のために己を鬼にしてまで戦い抜いた剣士。
結局は労咳によって近藤勇の死も知らず、剣を握ることもできず死んでしまった可哀相な人。
沖田総司は最後、「猫が斬れない」と口にしたそうだ。
その時の沖田総司の心境は分かるはずもないし分かりたくもない。
現代では英雄だと讃えられている新選組で恐らく一、二を争うほど人気な沖田総司。
なら、沖田総司が労咳を抱えていなかったら、近藤勇が死んでいなかったら、歴史は変わっていたのだろうか。
この腐った世の中を少しでも変えることが出来ていたのだろうか。
幕府の滅亡は仕方ないものだし吉田稔麿が死んだのも仕方ないことだろう。
それでも、それでも可哀相な死に方をしてしまった沖田総司だけは他人事だと思うことは出来なかった。
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