34人が本棚に入れています
本棚に追加
両親は元から嫌いだった。
何かと私と姉を比較する。
そして姉もそんな私を見て蔑むのだ。
自分が上だ、妹に負けるわけがないという優越感に浸っている姉はとことん馬鹿だと思う。
小さい頃はなんとか両親や姉に認めてもらおうと必死に頑張っていた私。
今にして思えば全てが時間の無駄だった。
両親も姉も、私の存在を認めてはいなかったのだから。
だからいくら私が頑張ろうと両親は私に振り向いてくれることはなかった。
それに気づいたのは中学生の時。
偶然、両親と姉の会話を聞いてしまった。
『あんな子、産まなければ良かったわ』
そう言った母の言葉が頭から離れない。
腐っても、私の母だった。
実の家族にも否定された私の居場所は、何処にもなかった。
いつの間にか沖田総司だけが私の生き甲斐になっていた。
沖田総司だけが私を満たしてくれる。
それだけで、私は生きることが出来た。
最初のコメントを投稿しよう!