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曰く、神々はその力の魅力に溺れるが故に「神力」とやらを失いつつあるらしい。
「それをして、俺にメリットはあるのか?」
神と言う存在に畏れを感じながらも強気に出てみる。自分の行動に常に理由を持たせるのは数少ない矜持の一つだ。
よかった。
まだ、自分は自分のようだ。
「メリット?やはりと言うか、君は実に人間的だね。でもそんな君だからこその頼みだ」
神というのは利益に則り動くものではないらしい。
「正直私も神々を相手取り力に溺れない自信は無い。そういえば君は前の世界で守りたいものを守り切れなかったね?」
思い出す。
あの炎使いに大切な妻を、子を、全てを奪われたことを。
それだけで復讐の念に身が焦げそうだ。
「でも死して尚、君は信念を貫こうとした」
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