1人が本棚に入れています
本棚に追加
「や、め、な、さ、い!この馬鹿娘!!」
「ぐっ!?」
振り向きながら放たれた強烈な丸山のエルボーが背後にいた少女の腹に炸裂する。
腹に手を当てながら悶絶する少女。
しかし丸山の反撃に容赦の二文字は存在しなかった。
「…死ね!」
「ちょっ!?それは流石にやり過ぎじゃないかなぁ…っ!?」
振り返ると同時に握られた拳が再び少女の腹に向かう。
しかし今回は少女の反応も速かった。
立ち上がり、軸足となる左足で思いきり地を蹴る。
後ろに下がった距離は少女の歩数にして約三歩。
それでも丸山のストレートを避けるには十分な距離だった。
「…ちっ。アンタ、本当に面倒くさいわ―――圭吾の次に」
「えぇっ!?何もしてないのに巻き込まれた!?」
「あはは。圭吾の次ならよしとしようかなー」
明るく笑う少女に、丸山は頭を押さえてため息をついた。
からからと表情を緩める少女は丸山の親友であり、また同時に、直哉や圭吾にとっても親しくしている友人の一人でもある。
腰まで伸ばした黒髪を後ろで一つに纏めた活発な少女は、窓から差し込む太陽の光を浴びて向日葵のように笑う。
最初のコメントを投稿しよう!