1人が本棚に入れています
本棚に追加
現実の荒波に揉まれた人間は一回り器が大きくなるのだが、果たして圭吾が大きくなるのはいつになるのか。
死んだ圭吾を無視して優花―――水野優花が丸山の手を掴む。
「そうだった!ちょっと一緒に来て、綾ちゃん!」
「は?ちょ、ちょっと、優花!?」
一方的に手を掴み、引き摺ろうとする水野に抵抗して丸山が踏みとどまる。
「待ちなさい!とにかくまずは説明することが先でしょ!」
「ホントにごめん!でも割と本気で急いでるから!!」
「ちょっ!?ひゃっ!?」
謝罪と同時に丸山の踏ん張っていた足が綺麗に払われる。
上半身は右へ引かれ、下半身は払われた勢いをそのままに左へ。
左右に振られ、体の中心から軸がぶれた丸山は思いきり床に尻を打ち付けた。
「いったぁ~っ!?」
「ホントごめんねーっ!!」
そして倒れた丸山を、背中と膝の裏に手を入れた水野が抱き抱える。
「ゆ、優花!流石にこれは恥ずかしいから!?」
「まぁまぁ、そう言わずに」
「いいから降ろしなさい!!」
「ゴメン!無理!!」
「はあっ!?」
水野の胸に抱かれた丸山が吠える。
最初のコメントを投稿しよう!