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朝の散歩。
それは、今年から高校生となる私が、華の女子高生となる伊奈姫ルナが、小学生の頃から行っている日課である。
元々は私の祖父、伊奈姫源二に連れられて始めたのだけれど、私が中学生になった時から、祖父は散歩をやめてしまった。
理由は分からない。特に体調を崩したという訳でもないのだけど、『わし、散歩やめる』の一言だった。多分、深い意味はないのだろう。もしかしたら、思春期の孫と散歩するという行為に、何かしらの躊躇いを感じたのかもしれない。だとしたら、何てかわいらしいおじいちゃんだろう。
・・・かわいくはないかな?
まあ、そこを追究する気などさらさらないので話しを戻そう。
なんだかんだで、かれこれ9年間続いている朝の散歩ライフ。季節による変化、時が経つ事によう変化以外に特に変わらないこの散歩。別に、変化を求めている訳でもないけれど、新しい刺激があった方が楽しいとは思う。
しかしまあ、現実はそんな事はない訳で、マンネリ化した日課として今もなおずるずると続けている。何と言うか、いまさらやめるのも忍びない気がする。
そんな感じで入学式当日の朝。何時ものように私は、午前4時に目を覚ました。何時ものように、そう、何時ものようにだ。
小学生の頃から今の今まで、毎日毎日一日も欠かす事なく続いている。平日だろうが、休日だろうが、変わる事なく、寝坊する事なく、私は午前4時に起き、散歩に向かうのだ。
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