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野良猫は特に珍しくない。毎朝散歩している私からしたら、一週間の内、平均でも5日は見掛ける。
私自身猫が大好きなので、こうして朝から可愛い猫の姿を見れるのは嬉しい。自然と笑顔になるし、朝特有のけだるさも吹き飛ぶというものだ。
可愛いは正義。
見ているだけで癒される。
だから、今日の様に朝から頭をフル回転させ、悩みに悩んだ日に猫を見掛けたのはとても幸運だった。このもやもやも全てまとめて癒してもらおう!
私はワクワクしながら、前を進む猫へ視線を向けた。
「あ・・・。」
そして、その姿をはっきりと認識し、認識してしまい、その姿に目を奪われ、足が自然と止まってしまった。
立ち止まった私の事など気にも止めず、猫は高校へと続く道を進んでいく。
特に身体が大きいという訳ではない。だが、その猫の姿は、後ろ姿は不気味な程に大きく感じた。
それだけではない、猫の毛並みは思わず目を背けてしまう程に白く光って見える。当然、汚れなど見当たらない。
白くて綺麗だと思った。
綺麗過ぎて気持ち悪いとも思った。
道路があまり清掃がされていないのも合わさっているのだろうか。だとしても、綺麗過ぎるのではないだろうか?
いくら飼い猫で、毎日ちゃんと身体を洗っていたとしても、これほど綺麗なままではいられないはずだ。
正直、私は怖かった。目の前の猫が、綺麗過ぎて、美し過ぎて怖かった。
もしかして私は、見てわいけないものを見付けてしまったのではないだろうか?すぐにでも引き返したほうがいいのではないだろう?
わからない。
私はただただ立ち尽くす事しか出来なかった。
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