序章

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◇◆◇ 「あの、謙一郎くん」 「ねぇ~え、謙一郎くぅん?」 もし、学校一の美人と名高い彼女を、自由にできるとしたら。 「あ、あの、今日、一緒に帰りませんか……?」 「今日は一緒に帰ろ~? それでそれで、そのあと私といいことしよう?」 世の男子高校生なら、誰もが考える妄想だと思う。 俺だってその1人だし。 「えっ、いや、あの! 無理だったらいいんです、はい! でも……できれば一緒に、とか……」 「お家に帰る前にデートもしよ? 駅前でスイーツ食べて、お洋服買って、その後は……やぁんもう言わせないでっ!」 でもそんなものは所詮、妄想にすぎないわけで。 自分が学園一のあの美女といちゃいちゃする? 普通に考えたら、ありえない。 だけど。 そんな夢のようなことがもし、叶ってしまうとしたら。 あんたらは──── 「あの、どうです、か……?」 「もちろんおっけーだよね、謙一郎?」 ────どうする? ってかマジで……ッ! 「どぉすんだこれぇぇぇええ!!!!」
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