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「森に入るのぉ?」
連れて来られたのは森。
確か魔物が居て危ないから入っちゃ駄目だって言われてなかった?
「大丈夫、リルちゃんは俺が守ってあげるよ」
「いや、リルを守るのは兄である僕の役目だ」
私に格好いい所を見せたいからって危険な森に入るの?
ってか、5歳であるあんたらが私を守れるわけないじゃん。
3人の女たちも何も言わないし。
「怖いの?」
「怖いなら1人で残ってもいいですよ」
怖い?
私には自分を守る力があるのに怖いわけないじゃん。
どうせ魔物に会ったら怖がるのはあんたらでしょう?
「行くわよ」
レイアの声に引かれて私たちは森の中にと入っていく。
静かな森だけどこんな静かな森には何か居るのが当たり前。
なのに、気にしてないのか5人は奥にと歩き続ける。
まあ、私も魔物を見たことないから今は何も言えないけど。
「静かだなー」
「魔物が居るなんてお父様がつく嘘じゃないですか?」
子供だからこんな危機感もなく話してるんだろう。
ちゃんと周りを見てれば木に大きな爪跡があったり、地面に足跡があったりするのに気付くのに。
「今度この森の奥にアイツを捨てに行こう」
「それはいいわね」
ハッ、馬鹿みたい。
その年で人殺しになりたいわけ?
こんな森に魔法が使えない子供を捨てたら死ぬだけよ。
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