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『来ても構わんがお前の様な子供が1人で来れる場所ではないぞ?』
まあ、結構険しい獣道だったし途中でラースにおぶってもらったりしてたし。
体力がない私は1人では来れないでしょうね。
「ラースが迎えに来てよ」
『我がか?』
「うん」
あっ、何かラースが怒ってるような気がする。
魔物だから表情変わらないしよくわかんないけど、多分怒ってる。
『お前は我を何だと思っておるのだ』
「えっ、友達」
だって、こんなに素で話せるのは向こうでは暁だけだったし。
暁の代わりってわけではないけど友達になれたら嬉しい。
多分、こっちの人間では暁の様に仲良くなれる人は居ないと思う。
『友達?』
「うん、友達」
『……なら、仕方あるまい。 お前がこの森に入って来たら迎えに行く』
今度は照れてるのかな?
何で表情がわからないのにラースの気持ちが何となくわかるのかはわからないけど、別にいいや。
「ありがと、ラース。 後、私の名前お前じゃなくてリルディアだよ」
『ならば、リルディアもう帰らねば心配するぞ』
「そうだね……、じゃあ送ってくれる?」
『では、ついて来い』
別に帰りたいわけじゃないけど、サバイバルもしたことない私がこんな森で暮らせるわけじゃないし。
帰ったとしてもラースにはまた会えるし。
人間より魔物の方がいいかも。
ラースの毛並みを撫でながらも小さな笑みを浮かべる。
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