別れは突然に

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  『シャイニングトカゲの後ろには回り込むなっ! そいつの尻尾は岩をも砕くぞ!』 初めて魔物を殺した日から3年が経った。 未だに肉を突き刺す感触に慣れないが、これを私の覚悟として主な武器は小型のナイフにしている。 ナイフが効かない魔物も居るからナイフに毒を塗ったりして対応した。 ナイフに塗る毒は毒の性質を持つ魔物から頂戴している。 武器の使い方も毒の取り扱い方もラースが教えてくれた。 私はもう9歳なので来年からは王都魔法学校、リトリールに入学が決まっている。 ギルドにも通ってお金を貯めるつもりだからなかなかこの森に来れないかもしれないけど。 ラースの声を聞きシャイニングトカゲの尻尾に気をつけながら弱点である首を狙う。 シャイニングトカゲはドラゴンに近い身体で鱗が硬くて普通の刃物では役に立たない。 ただし、首の言わば喉仏がある場所は柔らかいので刃物で殺す時はそこを狙わなきゃならない。 まあ、シャイニングトカゲは魔法が効くからほとんどの人は魔法で倒してるけど。 わざとシャイニングトカゲの後ろに回り込めばシャイニングトカゲも私に気付きその大きな尻尾を振り上げる。 振り下ろされるのが分かれば尻尾を避けすぐに前に回り込みナイフを喉仏に突き刺す。 シャイニングトカゲの目はまだ後ろを見ていたから前に回り込むなんて危ない事が出来るんだけど。 私のナイフについてる毒は貴重な物で魔物の個数が他に比べて少ないらしい。 体内に入れば一発で死ぬので体力もなく筋肉もない私にはピッタリだ。 シャイニングトカゲの目が白目になったと思えばその大きな身体はグラリと傾き大きな音を立てて地面に倒れた。  
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