神の大樹

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その地には一人の男がいました。 黒い短い髪の無感情な男。 黒い衣服を纏い、その背に大剣を携えていました。 彼はこの地に唯一棲む者。 永い永い時を、大樹と共に在りました。 草花に埋もれるように倒れ、眠る彼の目蓋が開くと、水晶のような澄んだ瞳が現われます。 身体を起こし、唯一の出入りとなる横穴を見ました。 そこには、うら若い美しい女がいました。 女は驚いた様子で男を見ました。 「貴方は?」 女は問い掛けました。 男は言葉少なに答えました。 「ニーズ。大樹を守る者」
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