第 2 章 目覚め

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「イルニスーーーーーー!」 ヒーストリックが泣き叫んでいた。 「彼女を・・・ここに呼んだのは間違いだったのか・・・?」 所長が立ち上がり、自問自答するように呟いた。 「いや、あいつは・・・姫が生れる前から目をつけていたんだ・・・何て奴だ!」 彰が床に拳を叩きつけながら言った。 その拳に血が滲む。 「また・・逢おうと言っていた・・・我々は彼女を人質に取られたも同然だ、吾らでは到底、束になっても魔王には敵わないだろう・・・」 所長の言葉に誰一人異を唱えるものはいなかった。
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