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何度も科学の粋を終結した調査団が送り込まれたが、その都度連絡は途
絶え、まれに命からがら逃げ帰った者がいたが、全ての機器の計器は狂い
戻った人間も廃人同様だった。
彼らの存在が現実のものとして人々に認識され出したのは、彼らが頻繁に
人間界の生活空間に出没するようになったからだ。
神出鬼没の彼らを、人々は恐れたが、ドーム内の人間達のエリアに現れる
者は、やたらと無抵抗の人々を襲ったりはしなかった。
が、人間達は、逆に犯罪者などをドームの外に追放したりもしていた。
ドームの外では、温室育ちの人間は、例え彼らの餌食にならずとも、オゾン
層が殆どない大気の下では、生存は不可能といわれていた。
「さあ・・・準備だ・・・忙しくなるぞ」
「はい」
男の声に黒雲の中から、低い声が雷と共に響いてくる。
一瞬にして、男の姿が消え、うず巻いていた暗雲も、嘘の様に消えていく。
遠くで 雷鳴が 響いていた。
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