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よくみると後ろに秋、タツヤ、ナカが立っている。
私はゆっくりと顔を元に戻した。
秋は私を見るとニヤリと笑っている。
この顔をしているとき秋はたいてい何かたくらんでいるため
私は心の中でため息をつきながら秋の言葉を待つ。
「これから親睦会をします」
やっぱり。
て言うか私バイト中なんですけど・・・。
今度こそ断ろう。毎回秋のペースに飲み込まれてはいけない
私はにこっと笑顔を浮かべながら対応してみた。
「お誘いは大変うれしいのですが、私はバイト中なので皆さんで楽しんできて
ください」
秋はまだニヤリと笑ったままで唯斗に何か耳打ちしている。
それを聞いた唯斗は困った顔をしているがやがて私の方へ近づいてくると
耳元に唇を寄せ小さく囁くような声で
「ごめんね・・・」
と言った瞬間私の体が急に軽くなった。
一瞬何が起きたかわからず顔を上げると間近に
唯斗の顔があった。
「目標捕獲~さぁ行きますよ」
淡々と言うと泉館をでる。
それに皆続く。
はっと正気に戻ると
私は思い切り眉に皺を寄せ、これでもかというくらい
唯斗を睨みつけた。
「下ろしてください」
言った私の声は自分でも分かるくらい低かった。
「ごめんね、もうちょっとの辛抱」
唯斗はとても困ったような表情で、必死に笑顔を作っている。
「くるみ、あんた唯斗先輩のこと完全にか弱いと思ってるでしょ」
秋はニヤリと笑いながらこの機会に男の子だと学習しましょうなんて
言ってくる。
私は恥ずかしさから泣きそうになったけれど
唯斗をキッと睨んで言った。
「今すぐ下ろさないと呪ってやる」
さすがに唯斗もこれにはびくっと肩を揺らしたが
そうこうしている間に居酒屋についた。
ふわりと地面に下ろされた瞬間
私は唯斗の腕をきゅっとつねった。
痛いと言いつつも悪いと自覚しているのか
「ほんとにごめん」と謝っているのでその場では
つねるのをやめた。
その場ではね。
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