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その中年男は地方から
仕事で来ていて自分の村で
最近人が怪死している。
その原因となるものを
突き止めなければいけない立場であるのだが
どうも一人では出来そうもない、と。
仕事があるからと村を離れてきたが
これから帰らなければならない。
連はでた結果を前向きに考えられるように
と必死で言葉をつむいだが中年男は早々に
料金だけ渡すと帰ってしまったそうだ。
「中年男どうなると思う?」
連は考えるように目を伏せていたが
顔を上げると私を覗き込むようにして言った。
「場合によってはさらに不幸になるかも知れませんね」
と深くは答えなかったが
「俺と見立てが大幅に変わっていないから安心したよ」
と少し安心したように体から少し力を抜くと
また愛想良く笑い
「ありがとう」
と言うと自分の場所へ戻った。
私は軽く会釈しながら帰っていく連を見送った。
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