白い小説

旅行

でも、一つだけ引っかかることがある。
「怪死」「業」と言う言葉。

普通、怪死なんて起こったらメディアで騒がれそうなものである。
それに業なんて言うくらいだから何か大きな事件があったのだろう。
そんな時にいくら仕事だからって村を離れるものなのかな？
もし、私の勘があたったら、その中年男、もう一度連を尋ねてくるだろう。
けれど今は言わないでおこう。私はそこで考えるのをやめておいた。

PM20:30
この日のバイトを終えて
私はドラッグストアへ来ていた。
秋に参加を強制されている、旅行の準備をするために。
携帯用歯ブラシセット、ティッシュ、絆創膏など・・適当に必要そうなものを
かごへ入れレジへ向かう。
会計を済ませ足早に店を出た。
外は帰宅するであろう人々の運転する
車が行きかっている。
「免許ほしいな」
私はとぼとぼ歩きながら思っていた。