序説

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放課後・・・。 大学が昔使っていた少人数用の 講義室へ案内された。 そこで秋が何故あんなに しつこく勧めてきたのか理解できた。 タツヤがいる。 彼は秋の彼氏なのだ。 私の中でのタツヤは一言で言うなら 「猪突猛進タイプ」である。 この人の趣味は幅広い。 山登り、海外旅行、剣道、機械の部品収集 お寺巡り・・・・ほかにも数えきれない このサークルはまた、タツヤの変わった趣味だな。 それにしてもオカルトにまで興味があったのか。 私でもこんな所に一人で来たくはないから 秋もきっとそうなのだろう。 その気持ちはわかるのだけれど・・・。 なんだか複雑な気持ちだ。 そんな私をよそに 秋は私の隣でタツヤと笑いあっている。 このタツヤは真っ黒の短髪を ワックスでツンツンにしていて 細身で黒いパンツにジャケット というスタイルが多い。 逆に秋はサバサバした性格とは 裏腹に裾にレースがあしらわれた 白いブラウスにスカートといった 清楚な雰囲気漂うファッションが多い。 先ほどのものすごい 威圧感を持って、私をここに連れてきた 人物と同一であるとは考えがたい見た目だ。 2人とも黙っていれば 見た目はとても良いと思う。 どこかのファッション誌にでも でてきそうな感じだ。
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