序説

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部室には他にもメンバーがいた。 残りは男女一人ずつ。 女の子のほうは看護学科に通うという 壱原ナカ<いちはら なか>。 私たちと同じ1年だそうだ。 真っ黒で艶のあるストレートの髪を 腰までたらしている。 睫毛が長くて、目が大きいのが 印象的な子だった。 その隣 机をはさんで私のちょうど前に 座っている背の高い痩せ型の人と目が合った。 とにかくひょろい。 風で飛ばされそうだわ。 言ったら失礼になるかな? まぁ考えている分には問題ないかも... などと考えているとおもむろに そのひょろい人が口を開いた。 「心の声がだだ漏れてるよ。 風で飛ばされそうって、発想が中年の おばさんみたいだよ」 言いながら困った様な笑いを浮べている。 いつの間にか声に出してしまっていたみたい。 「失礼しました。思ったことを すぐに口に出してしまうもので」 私はニコリと笑顔を浮かべて 軽く頭を下げながら謝る。 ひょろい人はつられて笑顔を 浮かべるがひきつっている。 秋によるとこのとにかくひょろい人は 唯斗といって一般塔の学生で タツヤと同じ3年生だそうだ。
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