第二章

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* * * 昌家の養子となっても鈴麗は何度も逃走を決行し、失敗に終わった。 そしてその度に音梨と凰冀に泣きつかれている。 曰く、娘がいないと寂しい。養子仲間が出ていって欲しくないそうだ。 そんな鈴麗も養子に入って一年、漸く昌家を撒くことは出来ないと諦めた。 そして最近はまた読書人に戻っている。 「ふぅ~ここの本は面白いけど、教訓や熟語のできたきっかけが殆どで飽きてくるわねぇ。 …よし、物語を探して来よう」 鈴麗が本を探しに書庫に行くと、最近食事以外で会わない義兄がいた。 「凰冀が部屋から出るなんて珍しいわね。 何を探しているの?」 鈴麗が話しかけると凰冀は困った顔をした。 最近はこんな風に鈴麗の問いに答えないことよくある。 しかし鈴麗は、答にくい年頃なのだろうと勝手に納得し、そのまま横を通り過ぎ本を探し始めた。 これに驚いたのは凰冀である。 凰冀より鈴麗が二十以上年上だと知るはずもなく、最近かまっていないから怒ってしまったのではないかと。 「りり、鈴麗!無視して悪かった。 …実は俺は、国司を受けようと思っている。 そしてその為に最近は勉強もしている」 「…はぁ……。」 「…それだけか?」 「何て言えば良かったの?」 凰冀の鈴麗怒り説はあっさり破れた。 そもそも、凰冀が国司を受けようと思ったのは、虔貞と同じ官吏になり恩返しをしたいと思ったからだ。 しかし凰冀は、鈴麗が何時も家から出ようとするのは、虔貞を嫌っての事だと思っていた。 だから鈴麗に嫌われたくない凰冀は、国司を受けるために勉強に励んでいたことを鈴麗に黙っていたのである。

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