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大きなカメラを持って夢見がちな瞳でジュースを選ぶ姿が可愛らしかった。
そこへ4人組の派手なグループがやってきて儚げな少女にぶつかった。
思いっきりわざとだった。
自分達は偉いグループだからと見せつけているように歩いていく。
少女の存在なんて無視だった。
同時に大きな音をたてて割れるビンと落ちたジュースのパック。
少女の顔が驚いたように目を開き、すぐに悲しそうな顔に変わった。
そして4人組に向かって反論した。
それに対する4人組の馬鹿にしたような態度に何だか見ていられなくなった。
人と極力関わらないようにしてたのに。
私のせいでいじめを受けるようになってはいけないから。
でも、少女の悔しそうな悲しそうな顔がーーー
私の心を離さなかった。
諦めて欠片を拾う姿に心が何故かズキズキ傷んだ。
自分でもこの感情がよくわからなかった。
拾い終わって我に返った。
早く立ち去らねば。
わざと少女を突き放した。
近くに真由香を見つけたからーーー。
ごめんね、もっと話したいけど…
駄目なの。
久しぶりにこんな感情を持ったかもしれない。
ありがとね。
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