2,出会い

2/12
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
原田 更紗は極度の人見知りだ。 入学してもう1週間… 周りはもうグループができ始め、1人でいるのは更紗ぐらいだった。 お昼休み。 更紗が一番嫌いな時間だった。 1人でいるのに1番苦痛な時間… 教室移動などで1人なのは割と平気だったが、さすがに1人でお弁当を食べるほどの勇気は無かった。 どこへ移動しても周りの目が気になる… そこで見つけたのは裏庭だった。 中庭と違い、輪になってはしゃいでお弁当を食べる連中がいない。 それにとても静かで綺麗なのだ。 更紗は宝物の一眼レフを取出し、記念樹の写真を撮っていた。 「そこ、あたしの場所よ」 慌てたのと、びっくりしたので一眼レフを落としそうになった。 更紗は声のしたほうへ振り向き、どういう意味か理解しようとした… 「あたしの場所って言ったの」 もう一度彼女は言った。 大きな声ではないのに、凛としていて響いて聞こえた。 「…はい?」 彼女は呆れたような顔をして、 「ここはあたしの秘密の場所なの。 今まで、誰も来たことなかったのに…とらないでよね」 「あの…なんであなたの場所なんですか?」 「あたしが見つけたから」 うん、おかしいよね。 この子面白い子だなぁ。 「私、1年D組原田 更紗。あなたは?」 「…1年A組西 由奈」 こんな子見たことあるかな~? まぁ1学年500人位いるし、見たことあるほうがおかしいか。 「お弁当ある?」 「これ」 えっと…それはヨーグルト?え?それだけっ? 「一緒に食べよ」 「あそこでね」 そう言って指差したのは―――― 「ええええぇ!!」
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!