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「由奈、写真撮ってもいい?」
「あたしを?」
珍しく彼女が反応した。
大きな目で怪訝そうに私を見つめる。
「なんか由奈、この木といると綺麗に写るっていうか…
なんかいいなぁと思って」
あ、もしかして嬉しいのかな。
いつもより目が輝いている…気がする。
大きな目を見開いて周りをきょろきょろと見渡した。
何かを探しているのか?
取り敢えず何かしたいようなので黙って見守ってみる。
この子の頭は今何を考えているのだろう?
予測出来ない。
この子は私の予想を遥かに越えてくれる。
いつも期待を裏切らないのだ。
「パソコン得意?」
ようやく口を開いた。
「うん、まぁ」
「コマ撮りしたい。
モデルはあたしでいいから」
口をあまり開かずに、上唇をきゅっと上げて悪戯っぽく笑う。
この顔が好きだ、可愛らしいと思う。
弾けるほど無邪気な顔。
本人は自覚してないだろう。
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